G-SHOCKの中でも“Made in Japan”のハイクオリティな製品を展開するMT-Gシリーズ。
その最新作「MTG-B4000」は、異素材を組み合わせた精巧な構造に、人とAIが共創した革新の技術を融合した一本です。
今回は、その外観・構造・着け心地に注目してレビューをお届けします。
■ 外観デザイン ― 精密な構造美と輝きの妙

まず目を引くのは、傾斜をもたせたステンレス製のベゼル。
正面から見ると平面的にも見えますが、斜面に沿って光が複雑に反射することで、高級感ある立体的な輝きが生まれています。

サイドから見ると、カーボン製のミドルケースがリューズやボタン、ベゼル、裏蓋と立体的に組み合わさり、複雑でありながら緻密に設計された構造であることが一目瞭然です。

面取りや角度の変化により、外装そのものが衝撃を逃がす盾のような役割を果たしています。

さらにベゼルにはヘアラインとポリッシュの異なる仕上げが施され、角度によって多彩な表情を見せてくれます。これらはパーツを細かく組み上げることで実現されたもの。
また、カーボン柄の見え方もスポーティで、ラグジュアリーな印象に深みを加えています。
■ 人とAIが生み出した、革新的なフレーム構造
MTG-B4000には、人とAIが共に設計に関わる新たな開発プロセスが導入されています。
デザイナーが描いた造形案をAIが解析し、G-SHOCKが長年蓄積してきた耐衝撃データと素材特性をもとに、最適な3D構造モデルを生成。
そこに人の手による微調整を何度も加えることで、機能性と美しさを兼ね備えた独創的なフォルムが完成しました。

特に注目すべきは、フレームにバンド接続部を設けた新構造。
これにより、衝撃がケース本体に伝わりにくくなり、耐久性がさらに向上しています。
さらに、ラグ部分のメタルパーツとカーボンフレームは、ビスを使わずに固定される独自構造で、衝撃吸収性能にも優れた設計です。

裏蓋には、粉末状の金属を用いて造形するMIM(メタルインジェクションモールディング)成形を採用。
さらに、新開発のブルーグレーIPコーティングが施され、細部にまでこだわった高級感のある仕上がりとなっています。
■ 着け心地 ― 軽やかで、しっかりと腕に馴染む

手に取ると、まず感じるのはしっかりとしたつくりの良さと収まりの良さ。
ステンレス製の裏蓋に適度な重みがあるため、腕に自然とフィットし、安定感のある着け心地が得られます。
また、バンド構造も新しくなっており、肌への当たりも非常に柔らか。
どこかが引っかかるような不快感がなく、長時間の着用でも快適です。

文字盤は非常に情報量が多いにもかかわらず、視認性は良好。
風防にはサファイアガラスを採用しており、透明感と耐傷性の両立で安心して使える点も魅力です。
■ まとめ ― 機能を超えて、形に込められた思想を手元に
単なるスペックや機能で語り尽くせない「MTG-B4000」。
人の直感とAIの論理が交差することで生まれた、新しい“構造のかたち”が、細部にまで宿っています。
素材の選定から造形、装着感に至るまで、どの要素にも目的があり、そして意味があります。
それらが一体となって、手に取ったときの納得感と所有する喜びをもたらしてくれます。
このモデルに触れた瞬間、その「作りの理由」がきっと感じられるはずです。
ぜひ一度、実物を手にとって、その完成度を確かめてみてください。
“なぜこの時計なのか”が、きっと腑に落ちるはずです。

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